融資を受けられるかどうか判断される銀行の6つの債務者格付けとは?

銀行は、融資先であるあなたの会社を格付けしています。それを「債権者格付け」と言います。

債務者格付けとは、言ってみれば銀行の融資先である企業のランキングのようなものです。この格付けによって、融資の金利が変わったり、融資そのものが受けられるかどうか大きくかかわってきます。

融資を受けられるかどうか判断される銀行の6つの債務者格付けとは?

格付けが高ければ、金利も低く設定される。反対に、業績が不振で格付けが下がれば、融資を受けづらくなったり、金利も高くなってしまいます。この債権者格付けは、銀行独自の査定によるものですが、もともとは金融庁から銀行などの金融機関に信用格付けに基づいた債権者区分というものが示されています。それを参考に各金融機関によって、独自に10~20段階に分けて、融資先である会社を債務者格付けをしているのです。

その金融庁の示す債務者区分は、正常先・要注意先・要管理先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先の6段階に分かれています。6段階の区分によって、銀行の貸倒引当金の比率が異なり、格付けが下がるにつれ、貸倒引当金率が上がります。つまり、格付けが下がれば、貸倒引当金を積み増す必要があり、銀行は、常に融資先であるあなたの会社の債務者格付けを気にしています。

貸倒引当率は、銀行によって異なりますので、下記の数字は、ある金融機関の指標を示しました。イメージとしてとらえてみてください。それでは、格付けの高い順番に6段階をみていきましょう。

 

正常先

正常先とは、業績が良好であり、財務内容も特別に問題がないと見られている融資先企業です。貸倒引当率は0.2%程度。貸出す銀行にとって、ほぼ貸倒引当金を積まなくていい優良企業先であり、正常先と格付けされれば、融資が受けやすくなるでしょう。

 

要注意先

要注意先とは、財務内容に問題がある債務者と格付けされた融資先企業です。財務内容に問題ありとは、金利減免や棚上げなど行っているなど、貸出条件に問題のある債務者。または、利息金の支払いが事実上遅延しているなど債務の履行状況に問題ある融資先、または業績が不安定と見なされた融資先を言います。

要注意先の貸倒引当率は、約5%。銀行にとって融資を実行することは可能であっても、無担保では貸せない可能性が高い企業です。正常先よりも、金利は若干高め。正常先の企業よりも、0.125%とか0.25%金利を上乗せして貸し出す企業。

※正常先または、少なくとも要注意先までに格付けされていないと銀行からの融資は受けにくくなります。この後の要管理先と要注意先との差は天と地ほどの磋があります。

 

要管理先

要管理先とは、要注意先のうち、現金または利息金の支払いが、3ヶ月以上遅延している債務者。または、リスケジュールに応じるなど債務者に有利な一定の譲歩(いわゆる貸出条件の緩和)を行った債務者を指します。

貸倒引当率は、15%程度。要管理先以下に格付けされたら、ほぼ新規融資は見込めないでしょう。

ただし、担保があれば、担保の価値の範囲であれば、その枠内の融資や、もともと借りていたものを期限内に返済してから、改めて同じ額を借りるという貸付残高が増えない範囲内での融資であれば、状況によっては融資を受けられることがあるでしょう。

 

破綻懸念先

破綻懸念先とは、文字通り破綻が懸念される企業で、経営が困難であるとみなされた債務者です。経営改善計画などの進歩状況が悪く、返済も遅延が続いていて、経営破綻に陥る可能性が高いと思われる債務者。

貸倒引当率は、75%と大きくなるだけではく、引き当ての対象債権が変わります。対象債権が変わるとはどういうことがと言うと、正常先、要注意先、要管理先までの引当率とは、全貸付金に対しての引き当てる割合を言います。

一方、破綻懸念先となっている債務者は、無担保になっている部分に対して引当率を掛けることになります。

 

正常先・要注意先・要管理先の引当率

例えば・・・

ある銀行が、融資残高1000億円で、正常先への融資が300億円あった場合、300億円に対して0.2%を引き当てます。つまり、銀行は300億円の0.2%にあたる6000万円を利益から取り崩さなければなりません。このやり方そのものは、要注意先も要管理先も同じやり方です。

企業単位で見ると、要管理先となっている債務者に対して、貸付残高が1億円あった場合、1億円に対して、15%引き当てます。つまり、1億円の15%にあたる1500万円を引き当てます。

破綻懸念先の引当率

無担保となっている部分の債権に引き当てる。対象の債権は、すべての貸出債権ではないので、100%保証される信用保証協会付きの融資や不動産担保があり、保全が効いている債権には引き当てをしなくていい。

例えば・・・

破綻懸念先の企業に1億円の貸付残高あり。そのうち7000万円は信用保証協会が100%保証してくれている。残り3000万円が無担保の場合。この場合には、無担保となっている3000万円に対して、75%の2250万円引き当てます。

 

実質破綻先

実質破綻先とは、懸念ではなく、実質的に経営破綻に陥っている債務者のことです。実質的ですから、実際に法的・形式的な経営破綻という状況にはなっていないものの、深刻な経営難の状態。元金および利息金も長期間に渡り遅延していて、債権の見通しがない状況にある債務者です。

企業そのものは残っていても、動いているのかどうかも分からない状態であったり、ほぼ売上がなく、法的に手続きは入っていないだけで、実質に破綻している企業。

貸倒引当率は、100%。銀行は融資の返済は実現されないと見なしています。保全の効いていない貸付金は、100%貸し倒れると見ているので、銀行から見たら、もう破綻していると同じと考えられています。

 

破綻先

破綻先とは、「破産」「特別清算」「会社更生」「民事再生」などの法的手続きを取って経営破綻した企業。または、不渡りを2回出して、取引停止処分となったなど形式的な経営破綻に陥っている債務者を指します。

破綻懸念先と同様、破綻先も貸倒引当率は、100%です。

引用元:債務者格付と自己査定の債務者区分、金融再生法開示債権、リスク管理債権の債権区分の関係

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

このように、格付けが下がるということは、その分だけ貸倒引当金を多く積み増ししなければならないので、銀行は常に融資先企業の債務者格付けを気にしていることがよく分かるかと思います。

要注意先か要管理先かが、融資を受けられるかどうかのボーダーライン。皆さんの会社が、銀行にどう格付けされているか気になるところですよね。しかし、銀行の格付け情報は公開されている訳ではないので、一般の方にはご存知ないでしょう。

もし気になるようでしたら、金融機関に、「うちの格付けはどれですか?」と確認してみましょう。「そんなことを聞いたら、取引銀行に嫌がられる」と思っている経営者の方も少なくないでしょう。格付けの条件は、各金融機関の規模によっても異なりますが、最近は、だんだん聞けば答えてくれるようになっているようですよ。

この機会に、あなたの会社の格付け、聞いてみたらいかがでしょうか?

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