導入前に知っておきたい!中退共(中小企業退職金共済)のメリットとデメリットとは?

会社が軌道に乗ってくると「長年働いてくれた社員に退職金を払ってあげたい」とお考えの中小企業の経営者の皆様へ

「今から少しずつでも、従業員の退職金を準備しておきたい」とお考えの方、一度は中退共(中小企業退職金共済)を検討されたことがあるのではないでしょうか?

しかし、退職まで長いと考えたとき、会社の規模や状況において、中退共を導入した方がいい会社とそうではない会社に分かれます。

あなたの会社はいかがですか?

ここでは、FPとして中退共のメリット・デメリットについてまとめてみました。

中退共のメリットとは?

メリットその1.全額損金となる。

中退共の共済掛け金は、全額損金となるというメリットで制度を導入する経営者の方も多いのではないでしょうか?

売上が順調で、利益が出ている会社には、経費としておとせるので、メリットは大きいでしょう。

資本金または出資金が1億円以上の法人の法人事業税は、外形標準課税が適用。

 

メリットその2.国からの補助金がある。

中退共制度に新規加入をした事業主様には、制度加入後4カ月目から、月の掛け金半分を1年間、国が助成してくれます。

※上限従業員ごと年60,000円

 

メリットその3.退職時、従業員へ確実に退職金を渡すことができる。

掛け金は、従業員である個人にデータとして紐(ひも)づけられる。

中小企業の会社は、毎月の掛け金を中退共に払い続けていればいいだけ。従業員が退職した時には、中退共から直接従業員に支払われるので、会社としては、面倒な手続きが必要ありません。

※従業員にとってのメリットは、次の就職先が中退共を導入している会社であれば、掛け金を新しい会社に引き継ぐことができます。

 

メリットその4.掛け金以上に貯められる。

3年6カ月以上掛け金を支払うと払った金額以上に退職金を受け取ることができます。

これは、ある一定期間以上、長く働いてもらいたいということが前提の制度だからです。

 

中退共制度のデメリットとは?

デメリットその1.事業主が受け取れない。

退職した従業員に直接支払われるため、事業主として特別な手続きが必要ないというメリットがあるのは、上記でご説明させて頂きました。しかし、場合によっては、退職者に直接払われる制度が、中小企業にとってデメリットになるのです。

デメリットとなる場合とは?

懲戒解雇など会社にとって不利益な退職者であっても、退職金を支払うことは阻止できないのです。

「この退職者には、退職金を払いたくない」と思っても、退職金をカットすることができない。

「せめて減額は?」と思った経営者もいらっしゃることでしょう。

退職金の減額は、厚生労働大臣に対して、退職金減額の認定の申請が必要なのです。

しかし、減額が認められた場合でも、減額分の退職金が事業主に払われることはありません。

 

デメリットその2.月々の掛け金を減額しにくい。

損金計上できるメリットは、会社が黒字であってこそ。

会社が黒字の場合には、掛け金が損金となることがメリットとなりますが、赤字の場合には、更なる赤字を作ることになります。

 

「赤字をこれ以上増えれば、融資に影響してしまう」

「純粋に掛け金が負担でならない」

減額したいという経営者も少なくありません。

 

そんな時、減額をしたいと言えば、すぐに減額させてくれるのでしょうか?

掛け金の増額は、いつでもできるに対して、減額の手続きは意外と面倒なのです。

手続きが面倒な理由とは?

一定の条件があるからです。

  1. 毎月の掛け金を減額してもいいと従業員が同意した場合。
  2. 毎月の掛け金を現在、継続して納付することが、著しく困難であると厚生労働大臣が認めた場合。

このどちらかの条件に当てはまらなければ、毎月の掛け金を減額することはできないのです。

 

デメリットその3.貯蓄型の生命保険のような貸付制度がない。

貯蓄型の生命保険には「契約者貸付制度」というものがあります。

貸付制度とは、解約金の中から70%~90%(保険会社や保険種類による)の範囲で、保険会社から貸し付けを受けることができます。

御社の業績にかかわらず、解約金がたまっていれば、借りることができる。一時的な資金不足には、この制度が大変ありがたいですよね。

しかし、中退共には、そのような貸付制度がないので、資金不足で一定期間、掛け金が払えないと契約が解除されてしまうというデメリットがあります。

 

デメリットその4.掛ける期間が短いと損をしてしまう場合がある。

掛ける期間が短い場合など払った金額よりも少なくなる場合があることも理解しておかなければなりません。

掛け金の期間と掛け金の額に注意。

退職者に支給される退職金は、「基本退職金」+「付加退職金」

期間が42カ月で退職した従業員には、この付加退職金がつかない。

そして、掛け金の払った期間が、11カ月以下の場合には、退職金も解約手当金もないので、注意が必要です。

掛け金の納付月が12カ月~23カ月の場合は、掛け金総額の2分の1もしくは、3分の1になってしまいます。

 

最後に・・・

いかがでしたでしょうか?

中退共(中小企業退職金共済)では、損金としてのメリットや国からの助成があるなどメリットもたくさんあります。

しかし、掛け金の払う期間によっては、払った金額よりも少なくなってしまうので、従業員の出入りが激しい会社においては、あまり向かない制度かもしれません。

あくまでも、この制度は、従業員個人を守ることが前提で作られています。

その点を踏まえて、メリット・デメリットそれぞれをよく理解した上で、「自分の会社にとって、本当に向いているのか?」検討する判断材料にしてください。

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