内臓調整療法師として、日ごろからクライアントの皆様に「健康の秘訣は、一に咀嚼、二に咀嚼」とお伝えしています。
常連の方は、「また咀嚼の話?!」と耳にタコができるほど聞かされているとは思いますが、健康と咀嚼(そしゃく)は、きってもきれない関係なんです。改めて周知できたら幸いです。
一に咀嚼!二に咀嚼!!どうして肩こりや腰痛の原因は咀嚼不足と関係あるのか?!
肩こりや腰痛に悩まれる方は、圧倒的に咀嚼が不足してる方が多い。
肩こりや腰痛と咀嚼不足なんて、一見関係なさそうですよね。
ところが、「日ごろから食べ物をよく噛んでいれば、それだけで病気になる確立が半分になり、肩こりや腰痛の人はかなり減るのではないか?」と思うほど、実は、咀嚼はとても大切なことなんです。
長引く肩こりや腰痛は、単に筋肉疲労だけではなく、内臓の疲労と大きく関係しています。そして、その内臓の疲労や免疫力の低下は、咀嚼不足にあるということが、だんだん分かってきました。
咀嚼のメリットとは?!
それでは、「なぜ咀嚼(そしゃく)が、そんなに大切なのか?」を解説していきます。
咀嚼とは:食物をかみくだくこと。また、かみくだいて味わうこと。
引用:コトバンク
咀嚼のメリット① 歯で食べ物を噛み砕くことで、胃腸の負担軽減
噛まずに、塊(かたまり)のまま胃に届いたら、胃や腸の負担になることは、そんなに想像しにくいことではないですよね。よく噛み砕いたり、奥歯ですりつぶすことで、食べ物が細かくなり、消化しやすい状態にすることは、ここで説明するまでもないでしょう。
ラーメンやカレーは、のど越しが大事なんだよ・・・なんて言ってはいけませんよ(笑)
胃腸の身にもなって欲しい
頭の中の意識では、のど越しがいいと思っていても、胃腸からすれば、大迷惑。
「消化する方の身になってよ」・・・って、胃腸が叫んでいるかもしれません。
噛まずに飲み込むことは、喉や首の筋肉疲労
実は、あまり噛まずに飲み込むことで、胃腸の負担だけでなく、喉や首の筋肉の負担にもなっているんです。喉や首の筋肉の負担が、カラダ全体に悪影響を及ぼし、肩こりや腰痛の原因になっているということは、あまり知られていません。
喉や首の負担を減らす意味でも、あまり飲み込まずに、自然に口から食べ物がなくなるくらいよく噛む習慣を身につけませんか?
あまり噛まずに、暴飲暴食を続けていれば、胃や肝臓・すい臓の疲れから、カラダが歪み、肩こりや腰痛の原因になっているかもししれませんよ。
左の肩こりと左の腰痛でお悩みの方は、胃の疲れ
左の肩こりと右の腰痛でお悩みの方は、肝臓が疲れを疑ってみましょう。
特に肝臓の疲れにより肩こりや腰痛をかかえている方は、お酒でけでなく、糖質や脂質を控えて欲しいです。
傾向として、脂質が大好きな方は、なぜか咀嚼不足が多く見受けられます。
逆に右の肩こりと左の背中が張っている方は、すい臓の疲れかもしれません。
すい臓の疲れは、食べすぎ、飲みすぎ、脂質の摂りすぎが考えられます。積極的によく噛むことで満腹中枢を満たし、食事を減らすようにしてみてくださいね。
咀嚼のメリット② 唾液の分泌を促す。
唾液の分泌は、消化を助けるだけじゃない?!
咀嚼することで、唾液の分泌を促す効果もあるんです。唾液に含まれるアミラーゼは、消化を助けるだけでなく、口の中の細菌の繁殖を抑え、唾液に含まれる免疫物質のIgA(免疫グロブリンA)という物質も重要なんです。
実は、咀嚼を増やすことで、唾液の分泌を増やすことは、とても重要。
雑菌の繁殖を抑える。
唾液の分泌量が減るだけで、口の中の感染リスクも高まるんです。普段から唾液をたくさん出せるように、普段からよく噛んで、口腔環境もよくしたいものです。
なんと?!唾液が事業仕分け?!
カラダにとって、必要な栄養素なのか?それとも不要で早くカラダから排出したいか?どうかは、何で決めているかご存じですか?
驚くことに実は、カラダにとって、必要な栄養素には、唾液に含まれる免疫物質のIgAで印をつけるんです。小腸が、「あ、これはの印がついているから、カラダに取り込もう」「あ、これは印がついていないから、不要なものとして、さっさと排泄しよう」と区別している。
つまり、口の中で、唾液が必要かどうか事業仕分けしているんですね。自分も最近まで口の中で事業仕分けしているなんて知りませんでした。びっくりですよね。
野菜を噛んで食べるのと、野菜ジュースとして飲み込むのは大違い?!
必要な栄養素として、カラダに取り込むためには、咀嚼で唾液の印が必要なんです。噛まずに飲み込んだものは、栄養素に印がついていないということで、小腸で取り込まれず、スルーされやすいってことになりますよね。
よく噛んでカラダに取り入れる栄養素 VS サプリとして噛まずに飲み込む栄養素。
同じ栄養素を摂っているようで、噛んで吸収することと飲み込んで唾液と混ざらずに医療に入ることは、大きく異なります。頭で考える以上に、カラダは、そのことをよく知っているんですよ。腸と口が連携して、過去の経験からカラダに必要なもの、不要なものと仕訳しているんです。
カラダって本当にすごいですよね。
右の肩こりと背中の下部(腰痛と間違われやすいが、腰ではなく背中の下の方ではありませんか?)が痛かったり、張っていれば、腎臓の疲れを疑ってみましょう。
背中の下部は、右の腎臓が疲れている人は、右側に、左の腎臓が疲れている人は、左側に現れます。
水分とミネラル不足にも注意してくださいね。
水分補給として真水を飲むとき、口の中で、転がすようにして、唾液とよく混ぜながらを意識して、ゆっくりゆっくり飲むようにしてみてください。
一気にごくごく飲むのは、避けましょう。腎臓の負担は、足がむくみやすいので、内臓調整療法と足のオイルコースのセットがお勧め。
咀嚼のメリット③ 咀嚼は、免疫力を高める?!
側頭部の噛むと動く場所・・・こめかみの辺りは免疫の中枢があります。そこを普段から刺激することで、免疫力がアップすると言われています。つまり、噛んだり、口角を挙げることは、免疫力をあげるためには、とても大切なんです。
だからこそ、噛むだけでなく、笑顔でいることも、こめかみの辺りを刺激してくれる。笑顔は、自分も相手も幸せにしてくれるのです。こめかみだからこそ、日ごろから米噛みの習慣を!
噛み続ける行為は、神対応?!
咀嚼のメリット④ ストレス解消
実は、噛むという行為は、ストレス解消となるんです。女性に多いのですが、よくストレスが貯まると氷をかじりたくなるという人はいませんか?
振り返ってみると、娘が子供の頃、イライラした時、「あ~氷かじりたい」って言って、冷蔵庫から氷を出して、ガリガリしていたのを思い出しました。子供ながら、色々大変だったんだね。
噛む行為は、ストレス解消
噛むことは、本能的にストレス解消になるんです。ストレスが貯まった犬が噛みつきやすくなるのは、噛むことでストレス発散することを本能的に知っているんだと思います。
歯ぎしりする人は、咀嚼不足?!
寝ている間に、歯ぎしりをする人いませんか?
食事で咀嚼が足りていないかもしれませんよ。無意識に、寝ている間、咀嚼不足を補って、ストレス解消しようとしていたのかもしれません。
歯ぎしりは歯のダメージも少なくありません。起きている間のリミッターが外れた噛む力は、相当なものです。そんなリミッターが外れた強い力で、歯を傷つけないようにしたいですよね。
更に寝ている間に歯ぎしりをすれば、きっと眠りも浅くなってしまうかもしれません。
歯を傷めないようにマウスピースをする方法もあるかもしれませんが、できたら噛んでストレス発散するのは、食事中に済ませたいですね。
咀嚼のメリット⑤ 認知症予防
更に、日ごろからよく噛むことは、ストレス発散だけでなく、認知症予防にもなるそうですよ。
噛むごとに、脳に血液が運ばれ、脳の活性化にもつながると言われています。
歯の下には「歯根膜」というクッションのような器官があります。物を噛むと歯は歯根膜に約30ミクロン(0.03㎜)ぐらい沈み込みます。それによって歯根膜の下にある血管が圧縮され、ポンプのように血液を脳に送り込まれます。
ひとかみで送りこまれる血液の量は約3.5㎖。噛むたびにお醤油入れくらいのの血液が脳に送り込まれると考えると、その重要性が感じられますよね。
引用:噛むこと研究室
「歯が弱くなって、あまり噛めない」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
あまり噛めないからと言って、柔らかいものばかり食べるようになると、ますます噛まなくなり、脳も血流不足になりがちです。
噛むことは、歯茎や脳のトレーニングと思って、積極的に噛むようにしてみてはいかがですか?
電動の歯ブラシを使って、歯茎のマッサージもいいですよ。電動歯ブラシの振動は、歯をよく磨けるだけでなく、歯茎のマッサージにもおススメです。
咀嚼のメリット⑥ 口呼吸の予防
咀嚼が足りなくて、口呼吸は危険!!
実は、咀嚼が足りないと口呼吸になりやすいとも言われていて、咀嚼不足は、デメリットばかりなんです。
口を閉じて、よく咀嚼することで、鼻呼吸の習慣を身につけましょう。
口呼吸のデメリットは、別の記事で解説していますので、そちらもご覧ください。
口呼吸になることで、肺の負担にもなりやすい?右の肩こりは、肺が原因とも考えられます。
咀嚼不足により、飲み込むための喉や首の筋肉の負担となり、肩が前に引っ張られ呼吸が浅くなることも考えられます。
猫背になっていませんか?
咀嚼不足と肺の負担と肩こりと肩甲骨の内側は、あまり関係なさそうですが、実は密接に関係しています。
咀嚼のメリット⑦:首こりや頭痛の予防
咀嚼不足により、塊のまま食べ物を飲み込んでしまえば、喉の負担だけでなく、首の筋肉も硬くなりやすいんです。実は首が硬くなると脳まで血液がうまく運べません。
首の筋肉が硬くなると、首の筋肉の間を通る重要な血管やリンパなどを圧迫し、頭痛の原因にもなりやすいんです。
普段から偏頭痛などでお悩みの方は、日頃から咀嚼、意識してみてくださいね。つらい偏頭痛、薬に頼らず少しでも自分で何とかしませんか?もご参考にどうぞ。
何回咀嚼したらいい?!
それでは、肩こりや腰痛が少しでも軽減できるように、実際、何回噛めばよいのか、おススメの回数を発表します。
咀嚼の理想は50回以上
50回も噛んだら顎が疲れると言われそうですね。
そうなんです。慣れないと最初のうちは、顎のまわりの筋肉が疲れるかと思います。それだけ顎が弱り、咀嚼に必要な筋肉も衰えてしまっているのかもしれませんよ。
50回はハードルが高すぎるという方は、まずは20回は噛みましょう。
まずは20回!!
「それくらいは、噛んでいるよ」と自信ある方もご用心。
というのは、自分の場合ですが・・・内臓調整療法師会の研修会で、師範から「20回は最低噛むように!」と言われた時、「いつもの倍は噛まなければならないのか」と思ったものです。
しかし、実際に噛む回数を数えたら・・・・
実際噛んでいたのは、2回でした(苦笑)
そんなに噛んでいないだろうと思っていたものの、いざ数えるまで、普段10回くらい噛んでいるつもりが、見事に裏切られました。
無意識にアグ、ゴクン・・・アグ、ゴクン・・・ほとんど噛んでいなかったのです(苦笑)次から次へと食べ物を口に放り込んでいたのです。反省
小生の場合は、極端かもしれませんが、いざ噛む回数を数えてみると、思ったより噛んでいないことに気づくかもしれませんよ。
普段何回噛んでいますか?
50回以上噛む先にある世界
50回以上噛むと違う世界が見えてくるんです。何怪しいこと言っているの?と思う方もいらっしゃいますよね。自分も最初怪しいと思いました(笑)
実は、噛み続けて40回後半あたりから、味が変化してくるんです。
カラダに必要かどうかカラダに聞いてみよう。
噛み続けているうちに味が変わる?!
噛み続けているとカラダにいいものとそうではないものの区別ができるようになるんです。どういう事かと言うと、噛み続けているうちに、今、自分にとって必要な栄養素のものは、だんだん美味しくなってくるんです。
それとは反対に、カラダに不要だったり、害のあるものだったりする場合は、噛んでいるうちに、だんだん美味しくなくなってきたり、変な苦みに変わったりするんです。
唾液と交じり合うことで得られる世界
噛んでいるうちに、唾液と混ざりに混ざりながら、「あ、ますます美味しく感じられた」「命を頂いているんだ」と美味しくなるだけでなく、感謝の気持ちが湧き上がることでしょう。
これは、体験した人にしか分からないかもしれません。
それって、スピリチュアル系の話?と言わずに、騙されたと思って是非一度試してみてください。
噛み続けることで、カラダだけでなく、ココロにも必要な栄養素になることでしょう。
最後に・・・
最後までお付き合い下さり、ありがとうございます。
いかがですか?
今日の食事からよく噛もうって思えました?
日ごろから添加物をなるべく避けるなど、何を食べるかも大切ですが、よく噛んで食べるかも大切であると共感して下さったら嬉しいです。
咀嚼は、口やそのまわりの筋肉だけを使っている訳ではありません。実は、首や顔の筋肉だけではく、頭全体や胸の筋肉、そして内またの筋肉など全身に影響しあっているのです。
咀嚼不足により、首の筋肉を必要以上に使い続けると首だけでなく、肩や腰にも負担となってしまうという。もしかしたら、すべての病は咀嚼不足によるものとさえ思っています。
内臓調整療法師として、あなたが少しでも元氣になれるお手伝いできることは、ありませんか?
ほんの些細なことでもいいので、あなたの痛みや悩みに寄り添えたら嬉しいです。定期的に内臓調整療法を受けるだけでなく、日ごろからよく食べ物を噛んで、あなたの肩こりや腰痛の解消にお役立てください。さあ、みんなで元氣になろう!!
【追伸】
少しでも、咀嚼を増やすことで、カラダにいいことはもちろんのこと、食べ物、そして食事を提供して下さるすべての働きに感謝できるきっかけとなれれば、幸いです。