股関節が痛い原因追究。骨盤のゆがみはなぜおこるのか?骨盤を締めるとやせるの?

普段、あまりなじみはありませんが、股関節(こかんせつ)の故障は、筋肉や骨格の異常を通して、全身の歪みや内臓に悪影響を及ぼします。異常により、神経を圧迫したりすることで、痛みを引き起こしたり、関節の動きを妨げたりするだけではなく、内臓の緊張や機能低下に繋がってしまうことはあまり知られていません。内臓調整療法師会では、骨盤、特に仙腸関節(せんちょうかんせつ)の動きは、蝶形骨(ちょうけいこつ)・後頭骨(こうとうこつ)と共に、脳脊髄液の流れにも影響を及ぼすため、日頃のメンテナンスに重きをおいています。

仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節であり、周囲の靭帯(じんたい)により強固に連結されています。仙腸関節(せんちょうかんせつ)は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています(左の絵)。

日常生活の動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根元から脊椎のバランスをとっていると考えています。中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生します。

仙腸関節障害は決して稀ではありません。一般的に、出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれますが、老若男女を問わず腰痛の原因となります(右表)。

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引用:日本仙腸関節研究会

股関節の異常を放っておくと長生きできない?

実際に股関節の痛みや動かしにくいと自覚している方だけではく、股関節がなぜ歪んでしまうのか?原因を知っておくことで、あなたの健康と美容に通じる情報が提供できたら幸いです。

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股関節の痛みの原因とは?

股関節の痛みには、「股関節自体の病気・故障からくるもの」と「股関節以外の異常のからくるもの」があります。

股関節そのもの病気・故障による場合。

股関節そのものが原因となって痛みが起こる場合には、変形性股関節症が一番多く、その他には関節リュウマチ、大腿骨壊死症(だいたいこつえししょう)が挙げられます。

股関節自体の故障には、主に変形性関節症が代表的です。股関節は脚の付け根にある関節で、胴体と脚の間にあります。股関節は、人が立ったり歩いたりするときに体重を支える役割をにない、歩行時には体重のおよそ3倍、立ち上がりでは体重の数倍の重さがかかるといわれています。そして、時にはその軟骨がすり減り、やがて大腿骨頭と臼蓋の骨と骨が直接こすれて骨が変形してくると痛みを感じたりこわばりを生じたりします。 
引用:新百合ヶ丘総合病院

股関節以外の異常による場合。

カラダは、一部が歪むと地球の重力に適応して生活できるように、他の個所が補います。補うと言えば、強力しあっていると聞こえがいいのですが、他の個所も歪む・異常が出るということなのです。股関節はカラダの中心にある。股関節が歪んでいるということは、カラダのバランスが崩れ、支障をきたすと言われています。歩き方にも影響あり。

骨盤は様々な筋肉に囲まれています。

股関節の動きの異常は、筋肉の異常が伴います。それぞれ筋肉の動きが制限されることにより、骨盤や脚の骨が引っ張られ、歪みの原因となります。歪みが神経を圧迫し痛みの原因となる。それぞれの筋肉の異常は、内臓の反射(影響)によることが考えれられます。曲げた時が痛いのか、伸ばした時が痛いのか?動きやすい、動かしにくいなど確かめながら、原因を追及することも大切です。

骨盤操法はやせるの?

世間では、「骨盤を閉めるとやせる」という言葉を目にした人も多いと存じます。世間の言うところでは、骨盤の開いている・閉じているというのは、骨盤の前側である左右の上前腸骨棘(ちょうこつきょく)の間のことを表現しているように思われる。交感神経が優位となっているか、副交感神経が優位となっているかによって、骨盤の姿、形が異なる。交感神経が優位の人は、坐骨と坐骨の間が閉じていて、左右上前腸骨棘は開いている。交感神経が優位となり、やせている人が結果坐骨間が閉じているのだ。内臓調整療法師会では、やせている人が、症状としての結果、閉じている(世間で言われている骨盤は、開いている)のであって、骨盤を閉じさせたからといってやせる訳ではないとしている。

骨盤を閉めるとやせると提唱している手技は、左右の上前腸骨棘(ちょうこつきょく)が閉じることで、坐骨間は、むしろ開き、副交感神経が優位となって太りやすい体質となることに注意したい。やせるために必要な代謝は、交感神経を旺盛(おうせい)にした方が上がる。締めるとやせるという考えは、原因と症状の関係について、極めて曖昧(あいまい)であり、やせるという事をうたい文句に効果ばかりを宣伝する傾向に危惧を感じずにはいられない。

本来の骨盤調整の目的とは?

骨盤「開く」操法 

左右の上前腸骨棘(ちょうこつきょく)は閉じ、坐骨間は開く操法。

骨盤内臓器の副交感神経レベルを上げ、交感神経レベルを下げる。

適応症:子宮筋腫・子宮内膜症・早漏(そうろう)・ぼっ起不全など

骨盤「閉じる」操法

左右の上前腸骨棘(ちょうこつきょく)は開き、坐骨間は閉じる操法。

骨盤内臓器の副交感神経レベルを下げ、交感神経レベルを上げる。

適応症:子宮炎・更年期障害・膀胱炎(ぼうこうえん)・前立腺炎・前立腺肥大など

まとめ

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それぞれの主訴(しゅそ)や体型・症状にあわせて調整方法を選択するべきである。しかし、骨盤を閉めるとやせると提唱している手技は、左右の上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)が閉じることで、坐骨間は、むしろ開き、副交感神経が優位となって太りやすい体質となることに注意したい。原因と症状の関係について、極めて曖昧(あいまい)であり、やせるという事をうたい文句に効果ばかりを宣伝する傾向に危惧を感じずにはいられない。

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