「健康のために、いっぱい歩いた方がいい」とお医者さんやまわりの人に言われて、
「一生懸命歩いたり、スポーツをしなくっちゃ!」と思っているあなたへ
せっかく健康のために張り切って歩こうとしても、
歩き方が悪いと、歩けば歩くほどカラダに悪いって知ってますか?
正しい歩き方というと一般的には・・・
- 踵(かかと)から、しっかりついて、大股(おおまた)で歩く。
- 重心を足裏全体につけて歩く。
- つま先をしっかり蹴って歩く。
- 腕をしっかり振る。
と言われています。
確かに、このような西洋式と言われる歩く姿は、見た目にもかっこいいものでしょう。しかし「健康のためにその歩き方は本当にいいのか?」と考えたとき、疑問が残ります!
これからお話させていただく・・・踵をなるべくつけない歩き方をオススメするのは、以前、自分自身が、右ひざに痛みをかかえた時、 内臓調整療法師会の横山先生から教えてもらい、目からウロコだったのが、きっかけでした。
そんなアドバイスをきっかけに、長谷川内臓調整療法院で、いろいろな方のご意見をお伺いしながら研究してきた内容をお伝えしようと思います。
正しいと言われてきた歩き方がよくない理由とは?
今までの常識その1:踵(かかと)から足をつけて歩く。
引用:プロメテウス 解剖学 医学書院
上の解剖の絵を見てわかるように、踵(かかと)には筋肉がほとんどないのです。
そんな筋肉がないところをいつも刺激しながら歩いていたらどうなると思いますか?
踵(かかと)から入る刺激は、脊髄(せきずい)を通って脳に伝わります。
そんな刺激で、脳は常に緊張状態!
踵から悪い刺激が入らないように、踵(かかと)を少し浮かして歩くくらいの気持ちでいいかもしれません。
ミッドフット(中足部)から・・・足の裏全体で着地をする歩き方おオススメ致します。
ミッドフット着地・足の裏全体での着地により、足や膝(ひざ)の衝撃吸収が減って長く歩けるんです。
しっかり踵(かかと)からついて歩く・・・
それは、肩こりや首の痛み、腰痛、そして自律神経の乱れの原因となります。
超人的に下半身を鍛え上げた人ならまだしも、一般的な筋力のあなたは、踵からつける歩き方は、マネしてはなりません。
踵から入る刺激・・・決して、無視はできません。
ふくらはぎがつりやすい人は、特に歩き方に気をつけましょう。
かかとをしっかりつけて歩いているあなたへ!
私のように、 「そんな歩き方していたら、右ひざ壊れるにきまってるじゃん」
と言われないように、気をつけくださいね。
今までの常識その2:足の裏全体をべったりをつけて歩く。
足の裏をべったりつけて歩くと、足の骨のアーチが壊れやすい。
いわゆる扁平足(へんぺいそく)になりやすいのです。
足が扁平になると、ちょっとした段差で、つまづきやすくなります。
そして、更に疲れやすくもなります。
普段から外側に重心をかけずに歩き続けると・・・
足の外側で着地して、ふん張る力が弱まっているため、ちょっとした着地の角度の違いで、捻挫(ねんざ)をしやすくなる。
今までの常識その3:つま先をしっかり蹴って歩く。
外反母趾(がいはんぼし)になりやすい
つま先をしっかり蹴って歩くのは、浮き指(趾)の原因になるかもしれません。
浮き指(趾)は、体重が後になりやすくなります。
重心が後ろに傾くことは、その分、踵(かかと)からの悪い刺激が入りやすくなることでもあるのです。
そして、外反母趾(がいはんぼし)になりやすいと言われています。
- つま先をしっかり蹴って歩く。
- 足が浮き指になる。
- 後ろ重心になる。
- 踵に悪い刺激が入りやすくなる。
- 外反母趾になりやすい。
- 腰痛・肩こりなど・・・
今までの常識その4:腕をしっかり振って歩く。
一般的には・・・
右足を出す時、左腕を前に出す。左足を出す時は、右腕を前に出す。
この繰り返し運動は、カラダをねじって歩くことになりますので、カラダの歪みの原因になるでしょう。
歩き方が崩れて、足の小指(趾)が外側に広がっていませんか?
内臓調整療法師会では、足の小指(趾)が外側に広がるのは、仙骨2番目の神経の緊張と捉えます。
よく足の小指(趾)を角(かど)にぶつけて痛い思いを何回もする経験をお持ちの方は、日頃から肝臓の調整をしておきましょう。
自律神経が乱れて副交感神経が優位になっていないか?
チェックしてみて下さい。
それでは、どんな歩き方に注意すればいいの?
①踵(かかと)をあまり刺激しないようする。
踵(かかと)から足をつくことが、カラダ全体にどんな影響をおよぼすか?
- 踵(かかと)から着地しますか?
- つま先に近い方で着地しますか?
どちらが、カラダに負担が大きいかは、想像してみれば、答えは明白でしょう。
②重心を足の裏の足心を意識して歩く。
気分は、忍者の抜き足・差し足・忍び足で・・・
足の裏の足心(そくしん)という場所はご存知ですか?
そこを意識しながら、足の親指(趾)がまっすぐ前に向く方向で歩きましょう。
踵(かかと)に重心をかけず、前の外側に重心をかけて、スッスッと歩きましょう。
足心に意識すると足元から神経のネットワークが構築されるです。
個人的な感想ですが、靴の発達により、下肢のネットワークに重要な足心が退化し、カラダ全体の歪みとなっているのではないかと思っています。
そういう意味では、なるべく裸足に近いソールの薄い靴を履くということも大事かも・・・
③仙腸関節(せんちょうかんせつ)の動きをよくしておく。
大股で歩くか?小股でちょこちょこ歩きになるか?は、腰や骨盤の動きに関係します。
ちょこちょこ歩きが気になる方は、どうしてそうなってしまうか?考えてみましょう。
ちょこちょこ歩きは、仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)を繋ぐ関節(仙腸関節(せんちょうかんせつ)といいます)の動きが悪いために、腰で歩くようになったり、膝(ひざ)で歩くようになったりしてしまいます。
歩幅は、症状ととらえる。
ちょこちょこ歩きが悪いのではなく、他の関節が本来の動きができていないために、結果としてちょこちょこ歩きとなってしまう と考えましょう。
仙腸関節は、単に動けばいいというものではなく、自律神経のバランスを整えながら動きをつけることが大切です。
食べ過ぎで肩が痛い人は、歩き方がくずれやすいので、食べ過ぎには注意しましょう。食欲が止まらないのは、ウソの空腹感だった? 6つの原因と抑える方法とは?
もし、歩き方が悪くてふとももが痛くなっていたら、病は氣から?もご覧下さい。
最後に・・・
先日、営業先での会話・・・
更によく話を伺っていたら・・・
踵(かかと)をしっかりつけて大股で歩くことを意識してから、踵(かかと)だけではく、「首も痛くなってきた」そうです。
上記の歩き方をお伝えしたら、「これ(大股で歩き始める前の歩き方)でよかったんだ」と喜んでいました。目の前が晴れて来た表情が印象的でした。そんな笑顔を見ていたら、まだ他にもたくさんの方が同じ悩みをかかえているに違いないと今回、歩き方をテーマでまとめてみました。
昔の日本人の歩き方は、理にかなった歩き方と言えるでしょう。
忍者の歩き方を目にする機会はなかなかないかと存じますので、おみこしを担ぐ時の足の運び方を参考になるといいでしょう。足心に重心をかけるという考え方が活かされています。免疫力を高める歩き方をしながら、あなたの生活がますますよくなれば嬉しいです。
日常生活で、いつも前に向かって歩いているのに、さらにウォーキングで前へ前へ歩けば、筋肉にかたよりができて、バランスが崩れるのは、容易に想像できる事です。
後ろ歩きがおススメ!
熊手やほうきなどで、昔ながらの掃除をすると自然に後ろ歩きになって、筋肉のつき方に調和がとれます。
車や電車がない時代、長距離を歩く際・・・
- ふくらはぎにさらしをまく。
- 右足を出す時は、右手を出して歩く。
- 腰に帯びをまく。
- 集中したい時は、ハチマキをまく。
- できれば、後ろ歩き、横歩きを取り入れる。
など、解剖学的にみても、素晴らしい先人の知恵を伝え続けていきたいです。