どうして、お腹(なか)がなるのかな?
食べたものが、食道を通って胃に入る。そして胃ではどうやって消化しているか知っていますか?
胃酸で溶かすんでしょ?
正解。その胃酸はとても強力。最近、逆流性食道炎という言葉をよく耳にしますよね。噴門(ふんもん:胃の入り口)が開いて、胃酸が食道に戻され逆流することで、食道を溶かしてしまう炎症作用のこと。そんな時は、胸やけなどを起こし、不快感が出てしまいます。食道を溶かしてしまうほどの胃酸。では、どうしてそんな強力な胃酸は、胃そのものを溶かさずにいられるのでしょうか?
それだけ、胃が強いってことでしょ?
実は、胃の壁から粘液(ねんえき)が出てくることで胃は守られているんです。胃粘液で、胃は中の食べ物を消化しても、胃そのものを消化しないという離れ業をしているんですよ。
食べものが入ってきて胃酸が溶けだし、胃は膨らみます。そして消化が終わり始めた頃、幽門(ゆうもん:胃の出口)が開いて、胃で消化されたものが十二指腸へと運ばれるのです。
ここで、消化の他に、胃には大事な作業が残されているのです。
まだ残った食べ物のカスと溶け出された胃酸を洗い流し、胃の壁の修復作業が始まるんです。この時、膨らんだ胃から掃除と修復された後片付けと一緒に空気も十二指腸へ運ばれるため、胃は収縮、小さくなるんです。この収縮、膨らんだ風船が縮むようなものの時、お腹(なか)は、なっているんです。
空腹になっておなかが鳴るのは、胃が強く収縮するからです。これは『空腹期収縮』と呼ばれるもので、この収縮が胃で起こると、それを受けて小腸の方でも次々に収縮が起こります。強く収縮することで、中にあるものを絞り出すように先へ先へと運んでいるわけです。そして、このような強い蠕動(ぜんどう)運動の結果、胃や小腸の中が空っぽになる。つまり、グーと鳴るとき、おなかの中では大掃除が行われているのです。
引用:日経Gooday
食べ物のによって消化時間が異なる?
平均3~4時間で胃の中は空っぽになり、そこから約2時間ほどかけて、大掃除、修復作業に入るのです。胃は収縮し、食べる前の大きさに戻るのです。その時、胃を収縮させながら、「さあ、残った胃酸や粘液、食べカスの掃除をして、次の消化に備えるぞ」という勢いが、お腹(なか)のぐ~という音なんです。つまり、ぐ~という音は、ちゃんと修復作業をしていますよという健康の証なんです。
消化が終わり、修復作業には、約2時間かかります。
食べ物によっては、消化にかかる時間は異なります。消化の悪いものを食べ続け、消化時間+掃除・修復時間(2時間)が経たないうちに次の食べ物がやってきたら、どうなると思いますか?
- お米やパンなどのたんぱく質・・・2~3時間
- 肉や魚などのたんぱく質・・・4~5時間
- 粘度の高い脂肪など・・・7~8時間
消化のいいものであっても、消化の悪いものと一緒に食べると、消化のいいものも時間がかかってしまいます。
送り出すまでにかかる時間は、お米やパンなどの炭水化物で2・3時間、肉や魚などのたんばく質で4・5時間、粘度の高い脂肪などでは7・8時間もかかります。 いつもより多く食べたり、脂っぽいものを食べたりすると、ふだんよりも消化するのに時間がかかり、胃に負担がかかってしまうのです。 また、消化しされなかった食べ物が胃に残ることもあり、それが胃もたれなどの症状の原因になる場合もあります。
引用:医療法人健心会 えんどうクリニック
修復する前に、胃がずっと動かされることになるんですね。
そうなんです。例えていうならば、食卓を拭かないで、テーブルの上が散らかった状態で、食べ物が運ばれ、更に食べた後の食器を片づけないで、散らかし放題ということなんです。
どんなに美味しい物が運ばれても、そんなお店では食べたくないですよね。
胃液や粘液が残り、そして、まだ胃の中のものが消化しきれていないまま、次の食べ物が胃の中に入ってくるという生活習慣がカラダを疲労させ、やがては胃そのものが病気になったり、自律神経の反射などで、肩こりや腰痛が出やすくなってしまうのです。
風邪などを引いて、体調がすぐれない時、食欲がわかくなりますよね。食事と食事との間隔を空けることで、カラダを修復させる大切さが理解できることでしょう。
ダイエットのためには、一回の食事の量を減らして、回数を増やすというのはどうなの?
空腹時間を作り、カラダの修復にあてるという考えからして、あまりちょこちょこ食いはお勧めできません。朝食をぬくなどをしてみるのもお勧めですよ。特に朝は、消化にエネルギーを注ぐよりも、排泄に集中したいですからね。胃下垂(いかすい)の人は特に注意して下さい。
朝食を抜いたら、それこそ午前中の会議にお腹(なか)が、グーってなっちゃいそう。
まとめ
日本人が、朝食を取り始めた習慣。
一日三食取り始めたのは、「エジソンがトースターを売りたい」という戦略?
そんな都市伝説でも有名ですが、一日、三食とらずに、空腹時間=カラダの修復作業・内蔵を休めることは、大切です。
カラダもココロも修復させて、内蔵調整療法と共に、お腹(なか)が、good ! と喜んでもらおう。