相続の問題は、不動産の問題だった?!

「相続の問題は、不動産の問題です!」

そう熱く語ってくださったのは、一般社団法人あんしん相続支援センターの理事でもある小林啓二先生だった。

我が家は、そんなにお金持ちじゃないから相続のトラブルと関係ない?

小生もご紹介で小林先生にお会いするまで、相続の問題は、相続税の問題であると思っていました。

ご相談される方から「前もって知っていれば、こんなことにならなかったのに・・・」

そんな言葉を言われるケースは少なくない。相続の問題は、「争続」という言葉が当て字で使われるように、納税資金の確保ほりも、相続を機に親族間で争ってしまうことが問題なのです。

相続の問題は、不動産の問題だった?!

税金の問題は、納税資金を確保さえすれば、お金の問題に過ぎないので、数字である以上割りきれる問題。しかし、不動産のように、なかなか割り切れない相続財産がウェイトを占めると親族間の感情も割り切れなくなってしまうことが多いようです。

うちはお金持ちじゃないから関係ない・・・は大間違い?!

「うちはお金持ちじゃなく、大した資産もないから相続なんて関係ないだろう」と考えるのは、大間違いであると小林先生は警告。

なぜそんな風に考える人が多いのか?

それは、そんな資産家でなければ、相続税もたいしてかからないだろうから、うちは相続で問題は起こらないであろうという誤解です。これを読んで下さる方は、以前の5,000万円+1,000万円×法定相続人という基礎控除が、3,000万円+600万円×法定相続人の人数に改正され、対象となる人は増えたことはご存知のことでしょう。

確かに増えたと言っても、それほど多くの方が相続税がかかる人ではない人の方が多いですよね。

 

東京国税局の管内(東京・千葉・神奈川・山梨)では、全死亡者のうち相続税がかかるのは、13%

全国にすると相続税を納めるのは約8%

8人に1人の割合であるとすれば、うちは関係ないかもと思われるのも無理はありません。

しかし、親族間の遺産争いは、相続財産5,000万円以下の方が多いんです。

親族間の遺産争いは、5,000万円以下が大半?

遺産分割をめぐる裁判のうち、79%が相続財産5,000万円以下の争い。それとは逆に5億円以上の相続財産の方の争いは、0.6%という数字なのです。

  • 1,000万円以下34%
  • 5,000万円以下45%
  • 1億円以下13%
  • 5億円以下7%
  • 5億円超0.6%

資料:裁判所 司法統計~平成28年度~(調整成立件数内訳から)

一般的なイメージで、「相続でもめそう?!」と思うような財産をお持ちの方は、相続対策がしっかりしているので、そんなにもめないという考えが見えてきます。小林先生のお話を聞いて、確かにそうかもと思いました。

裁判所のデータから、相続の財産分割で争う方の79%は、5,000万円以下!!

5,000万円以下の相続財産の内訳とは?

相続が発生した時、いわゆる亡くなった方の財産が5,000万円以下ということは、財産の内訳はほぼ不動産1件なのではないでしょうか?

不動産一件だからこそ!もめやすい原因

ではなぜ相続で不動産が一番の問題なのでしょうか?

それは、不動産がもつ3つの特徴があるからです。

  1. 分けられない。
  2. すぐに換金できない。
  3. 価値がわかりにくい。

 

分けられない。

例えば、自宅。長男は玄関、リビングは次男、トイレは三男に・・・なんていうような分け方はできないですよね。

現金であれば、1,000万円ずつ平等にと分けられるかもしれませんが、家一件だけで他に財産がないとなるとなかなか平等に分けるのは至難な業です。

分けられなければ、兄弟の誰かが自宅を相続し、その分「他の兄弟からお金が欲しい」と言われた時、自分自身に充分なお金がない場合、それでも今までのように、兄弟仲良くできるのでしょうか?

 

すぐに換金できない。

相続税は、相続が起こった日から原則10カ月以内に現金で一括納税。条件が満たせば物納という選択肢もございますが、条件を満たすためには、一般素人では乗り越えずらいハードルもあります。10カ月というタイムリミットがあるため、焦って自宅を売却しようとしても、隣の家との区別がはっきりしないと測量に何カ月もかかってしまう・・・なんていう場合もあるようです。

仮に売れたとしても、換金してそのお金を他の相続人と分割したら、「これから自分が住むところがない」なんてことも視野に入れておかなければならないかししれません。

親の介護のために仕事を長い間辞めて、「親がいなくなれば、そんなに広い家もいらないから、売却して、賃貸に住めばいい」と言われても、年齢や仕事のブランクによっては、家賃を払うだけの仕事につくことはできないかもしれません。

そうなったら、今までのように兄弟仲良くできるのでしょうか?

 

価値がわかりにくい。

小林先生曰く、この三番目の「価値が分かりにくい」ということが相続で争う原因になることも少なくないそうです。土地や建物の評価は、一般的に難しい。

評価の仕方は、様々・・・

一物五価(いちぶつごか)という言葉はご存知ですか?

同じ不動産でも、評価方法は異なる。

  • 公示(こうじ)価格・・・(国土交通省)
  • 路線(ろせん)価格・・・(国税庁)
  • 固定資産税(こていしさんぜい)評価額・・・(市区町村)
  • 基準地価(きじゅんちか)・・・(都道府県)
  • 市場価格・・・(実際の売買)

このうち、相続の手続きで使うのは、路線価格と固定資産税評価額。

この土地・建物が役所で3,000万円と評価されているから、残り二人の親族に1,000万円ずつ渡せば、本当に平等?

「本当に平等なのか?」という問題もあります。不動産は、評価がしずらい!!

 

たとえば・・・

親と同居していた自宅が3,000万円の評価額だったとします。

評価は、3,000万円かもしれませんが・・・

実際に売却できる値段によって、「もっと高い値段で売れるのでトクする可能性がある」と他の相続人に文句を言われるかもしれません。せっかく遺産分割が終わりそうだったのに、高く売れるかもしれない分があると他の相続人に「もっとお金出せ」と言われるかもししれませんよね。

それとは逆に「そんなに高い値段では売れないにもかかわらず、維持費がかかるので、ソンをするかもしれない」と他の相続人に対して、あなたの不満が残ることもあるかもしれない。

評価額が、実際に取引される価格が異なれば、感情がこじれてしまい、もめる原因になるかもしれません。こじれてしまい、誰もが一円でも多くもらいたいと争えば、今までのように兄弟仲良くできるでしょうか?

 

最後に・・・

いかがでしたでしょうか?

3人兄弟が今まで仲がよかったのに、「それぞれ守るべき家庭ができて、事情も変われば、少しでも多く相続したくなる」というのは、人間の性(さが)。

そんな時、相続財産の大半が「分けられない不動産」・「すぐに換金できない不動産」・「価値が分かりにくい不動産」に集中していれば、トラブルになりやすいことが想像できますよね。

「相続の問題は、不動産の問題です!」と断言する小林先生の言葉が、改めて身にしみました。

「いざという時は、不動産を売却すればいい?」って本当に言えるのでしょうか?

場所によっては、売却してお金が入るどころか、「お金を払って、不動産を引き取ってもらう」というケースもあるそうです。

 

小林先生曰く、相続が起こってからできる解決方法は、1割にも満たない。残り9割の対策は、相続が起こる前にしなければならないのだそうです。相続が起こる前に生命保険でできる対策方法もいっぱいございますが、それでも先生の出逢いを通して、生命保険だけではできない対策方法が他にもたくさんあることを知ることができました。まさに目からウロコの研修でした。

お陰様で、いつも伝え続けている「今も将来も役に立つ話」に深みが出せそうです。

1人の力では限界がある。

今回の出逢いを通して、組織、チームで、お客様の問題解決に全力で取り組む大切さを痛感。

財産が、自宅だけ・・・など・・・不動産に集中している方は、ご一報ください。

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