万が一の場合に備えて、元気なうちに保障の見直しをしておくことも大切ですが、生前中に頼りになる葬儀屋さんを見つけておくことも大切です。
故人への悲しみや「これからの生活どうしようという?」という不安の前にやってくるのは、葬儀屋さんへの支払いや未払いの医療費清算など。支払いは待ってくれません。
いざという時、少しでも慌てないために知っておきたい死亡・火葬・埋葬までの手続き・流れとは?も併せてご覧ください。
「葬儀代や他の清算のために故人がコツコツ貯めておいてくれた預金で何とかしよう」と思っているあなたへ!
「亡くなった方の銀行口座は凍結される」ということを聞いたことはありますか?
故人の口座は凍結される?
銀行など金融機関が預貯金のお金を引き出すことができなくすることです。
葬儀費用や未払いの医療費など多額のお金を払わなければならない方にとっては、死活問題です。
「何でそんな大変な時におろせないの?」というお気持ちはよく分かります。
しかし、もし他の遺族が自由に引き出せてしまったら?
「何で勝手におろさせたんだ」と他の相続人に言われかねません。
金融機関は口座を凍結させることで、故人の預貯金を守っているのです。
よくご質問を受けるのは、「死亡届けなどをうけた役所など公的機関が金融機関に連絡するの?」と聞かれることがあります。
しかし、役所などの公的機関が銀行へ口座名義人の方が亡くなったと連絡が入ることはありません。
名義変更しようとご遺族の方が銀行などの金融機関に伝えることで、訃報が認められれば金融機関は口座を凍結します。訃報が新聞などに掲載され金融機関が把握するといった場合もあります。口座が凍結されると相続人はおろせなくなるのです。
「口座からお金をおろせなくなると困る」という相談の中で、一番多いのが葬儀費用です。
葬儀費用が払えなくて、「故人を悲しんでいる余裕がない」という事態に、少しでもならなくてもすむように、3つの対処法をご案内致します。
対処法その1:生前中にお金をおろしておく。
口座が凍結される前、つまり生前中に喪主の方やご遺族が必要な金額をおろしておくという方法。
これは、事故など突発的な場合にはできない方法かもしれません。死亡宣告を受けていたり、死期がせまっている場合には、凍結される前にある程度のお金はおろしておくことが寛容です。
ただし、事前に相続人全員に同意を得ておくことが大切です。後々のトラブルを避けるために、「葬儀費用にこれくらいかかりそう」と妥当な金額を提示して、必要な金額はおろしておくことがよいかもしれません。
対処法その2:遺族の誰かが立て替える方法を考えておく。
喪主となる方や遺族にゆとりがあれば、費用を立て替えることができます。改めて後で、相続人の協議の際、立て替えた費用は相続人間で清算することになります。その際、トラブルにならないように、「葬儀費用はこれだけかかりました」と根拠を示すため、請求書や領収書は大切に保管しておきましょう。
対処法その3:早目に払われる保険金がないか保険会社に問い合わせをしておく。
保険会社は、所定の書類がすべて整わないと死亡保険金は支払うことができません。しかし、保険会社によっては、一部の保険金を簡易な書類の提出で払われることもあります。※書類がすべて整った時点で、残りの金額が払われる。
全体の保険金の何分の一まで・○○万円を上限として・・・など各社、支払い方はいろいろあるので、加入中の保険会社にどのように請求したらいいのか?確認をしておきましょう。死亡保険金は、受取人固有の財産といって、現金や土地・株式と異なり、遺産分割が済む前に、固有の財産として先に受け取ることができるのです。
まとめ
「亡くなった方の銀行口座の暗証番号などが分からなくて困った」という方も少なくありません。
ご遺族が困らないようにある程度の保険に入っておくことは大切です。しかし、それと同時に口座の存在やクレジットカードや暗証番号をご遺族に知らせておくということも大切なのではないでしょうか?
※加筆修正2019年6月
対処法その4:銀行に相談
2019年7月12日以降から遺産相続分の一部を銀行からおろせるようになりました!
おろせる上限の金額は・・・
預金残高×3分の1×仮払いを求める相続人の法定相続分 ※ただし一金融機関ごとに150万円まで
詳しくは、銀行に相談してみましょう。「葬儀代を払うためである」と明確な理由を持って相談してみましょう。ただし、口座から預貯金をおろすためには、後々を考え、他の相続人全員の了承をとりつけることが大切です。