「少しでも痛みがやわらぐのなら・・・」と自分で肩を叩いたり、揉んだりしていませんか?
整体やマッサージに長く通っているのに、なかなか解消されないと悩んでいるあなたへ
肩こりの原因は、単に肩の筋肉が、かたくなっているから・・・だけではない!のです。
肩こりがひどくて、〈頭痛やめまい〉まで出てくると本当につらいですよね。
肩こりが、右に集中する場合と左に集中する場合、実は原因が異なる場合があるんです。ここでは、内臓調整療法修師として、具体的に解説していきます。
あなたの肩こりは右からですか? それとも左からですか?
肩が凝り始めた頃は、「腕をよく使う」・「長時間のデスクワークなど」など単純に筋肉の疲労が原因だったかもしれません。
「以前は、整体やマッサージに行けば、ずいぶん楽になったのに・・・」とおっしゃる人も少なくはありません。
日々の積み重ね、生活習慣が、右からか、左からか傾向がカラダの歪みとなって顔を出します。
それは、カラダは無意識に「肩こりから逃れよう」と乱れた姿勢が楽なように感じるようになるからです。
「どうして右肩ばかりこるのか?」「どうして左肩ばかりこるのか?」
肩こりが出やすい姿勢となってしまうのは、生活習慣の結果=内臓の疲労の蓄積によるものかもしれません。
内臓調整療法師として、右・左それぞれの【傾向と対策】をまとめながら、あなたの長引く肩こり解消法についてお話していきます。
内臓の疲れが、左右どちらの肩こりに出るの?
「わたしの肩こりは、右から」・・・という あなたの傾向と対策
<傾向>
肩こりが右に出やすい人には、傾向として肝臓と胆のうの疲労が代表的です。
これには、ちゃんとした理由があるんですよ。
肝臓のトラブル早期発見には、お酒だけじゃない~肝臓の機能低下をいち早く気づくための23個のサインとは?~をご覧ください。
日ごろから、糖質や脂質をとり過ぎていると胆汁(たんじゅう)が出にくくなり肝臓や胆のうが疲労しやすくなってしまいます。
胆汁とは、肝臓で作られます。
一旦、胆のうに貯められて、必要な時に胆のうから十二指腸(じゅうにしちょう)に流れていきます。
胆のうは水風船のような形をしています。
自律神経が、「風船の出口を開く」と同時に、「風船をしぼませ胆汁を押しだす」という離れ業をやってのけているのです。
胆汁を出すために必要な姿勢
水風船のような形をした胆のうから胆汁をしぼって出そうとするために、カラダは、右肩を前下方に巻き込み胆汁の分泌のサポートをしています。
このためカラダは、上半身を左側にひねって(左まわり)、さらに前に引き下げられる姿勢になろうとします。
このねじれた姿勢が、肩甲骨と腕の骨に歪みを与えてしまします。これにより、さらに肩甲骨の位置もずれてきます。
この姿勢が日常茶飯事になってくると肩甲骨と肋骨との間に癒着(ゆちゃく)を生んでしまうのです。
肩甲骨と肋骨が癒着し、肩甲骨がうまく回せなくなると肩の関節にも悪影響が出て、「肩がまわらない」という自覚症状と痛みが伴ってしまうのです。
更に症状が進むと右の肘(ひじ)を曲げるようにして、腕を抱え込んだような姿勢になります。このような姿勢になることで、水風船のような形をした胆のうを絞り出すようにして、胆汁を何とか出そうとしているんです。
胆汁が十二指腸(じゅうにしちょう)へ流れ出るところが、とても細い管なのです。
そのため、糖質や脂質の高い食事が続くと胆汁がどろどろに詰まりやすくなってしまうのです。さらに詰まってくると胆汁は石灰化しやすくなり胆石症になりやすくなるのです。
日ごろから、糖質や脂質の高い食事をしている人は、食事に気をつけてください。乳製品は意外と脂質が高いので注意が必要です。
誰でもイライラするときはありますが、右肩がこり始めてから、イライラしやすくなったら、肝臓の疲労が原因かもしれません。
肩だけでなく、腰や骨盤の調整もしておくとよいでしょう。
<対策>
右肩がこりやすいあなたは、胆のうから「胆汁(たんじゅう)を出そう」とするためにカラダが歪ませるのが、自然。
カラダが歪むには歪むなりの理由があるので、肩がつらいからといって、肩だけを揉みほぐしたりするだけではダメなのです。
どうして背中が張るのかな? 整体に行っても張るのかな? 背中が張る本当の原因とは?
肩の痛みやカラダの歪みは、内臓の疲労からくる症状としてとらえ、自律神経のバランスをとりながら、解消していくことが大切です。
自律神経のバランス・調整を行わず、カラダの歪みだけを整えると胆のうの負担が強く出てしまうことにもなるのです。
胆のうが疲労している場合は、胆汁を作り出す肝臓も疲労していることが多いので、肝臓のうっ血を解消しながら調整していくことが大切です。
肝臓のトラブルは、ふくらはぎがつりやすくなったりしますので、ふくらはぎを日頃からケアをしておきましょう。
夜、足がつるのは、肝臓の機能が低下している? ふくらはぎと肝臓との関係、徹底検証!
胆のうと肝臓の機能を高めるためには?
水風船のような形をした胆のうが炎症して腫れているとうまく収縮できなくなり、ポンプのように胆汁を出せなくなってしまいます。この状態が長く続くと胆汁の分泌(ぶんぴつ)不足によるいろいろなカラダの障害に繋がっていくのです。
胆汁は肝臓で作られ、血液が熱くなり過ぎないように調整してくれます。カラダの炎症を抑えたり、血液の熱を冷ましたり。胆のうは、血液の流れと密接な関係を持っています。
胆汁がきちんと分泌されないと血液の質が悪化し、カラダに必要な酸素や栄養素が隅々までいきわたらなくなったりして、免疫力低下にも大きく影響を及ぼします。
血液の質の低下は、脳にもストレス?
血液の質の低下は、脳にも疲労を与え、精神的にも肉体的にもストレスをためてしまいます。ストレスを感じた脳は、カラダの炎症を抑えようと肝臓に、「もっと胆汁を作って必要なところへ運べ」と指令を下します。
その指令により、肝臓は疲れ、胆のう・肝臓 共に疲労してしまいますます右の肩こりへと負のスパイラスに陥ってしまいます。
上手に胆汁が出せない状況が続くと、今度は膵臓(すいぞう)にアルカリ性の膵液(すいえき)を出せと指令を出し、「背中の痛み」へと発展していきます。肝臓とともに膵臓も「沈黙の臓器」と言われるほど症状が出る事には手遅れと言われているので、日頃からの地道な対策が必要です。
もっと!すい臓を労わって!~アルコールとすい臓の関係~
糖質・脂質を抑えながら、食べる順番に気をつけて、胆汁が出しやすいカラダづくりが大切です。
「わたしの肩こりは、左から」・・・という あなたの傾向と対策
<傾向>
肩こりが左に出やすい人には、傾向として心臓や胃の疲労が代表的です。これにも、ちゃんとした理由があるんです。
左に肩こりが起きやすい原因は、心臓の収縮作業を守る姿勢になりやすくなります。心臓は英語でハートというように、ハートの形をしています。
ハートの形は、血液をポンプのように送り出すために効率のいい形なのです。
ハートの絵のイメージにあるように、下がすぼんだような形をしています。心臓は、左右それぞれ心室(しんしつ)・心房(しんぼう)と別れて、合計4つの部屋から成り立っています。
実は、心臓って、真上から見ると、右側によじれた形状をしているんです。心臓の位置は、胸の中央からわずか左にあります。
完全に左にあると思っている人も多いですが、本当にわずか左です。
胸郭(きょうかく)がまだ広がる前の小学校の頃に、部活など激しいスポーツをしてしまうと心臓が拡張し、「左に寄せないと苦しい」という人もいらっしゃいます。
胸郭が広がる前の子供のカラダの時に、心臓がカラダの大きさに比べて大きくなってしまう人は、大人になってから心臓や肝臓に負担をかけてしまうので、注意が必要です。
心臓のポンプ機能について
心臓のポンプは、右側にひねることで(右まわり)と右心室と左心室のひねりながら収縮を繰り返しています。血液を効率よくカラダ全体にいきわたらせるためには、このひねった心臓の形が重要なんです。
このひねりを加えた心臓のポンプの力が弱くなってくると血液を通して、必要な酸素や栄養素が送れなくなり、カラダの不調の原因となってしまいます。
この心臓のひねりを助けるために、カラダは歪み肩こりの原因となる姿勢になってしまうのです。
その歪んだ姿勢とは、上体を右にひねり、左の肩を前下方に巻き込むような姿勢となります。
この姿勢の歪みが肩の関節に大きなねじれが生まれ、右の肩の歪みの時と同様に、肩と腕の筋肉・関節が硬くなり、動きがにぶくなってしまうのです。
胃の疲れは左肩に痛みが出やすい。
暴飲暴食や不規則な生活で、胃が疲れていると胃の拡張により、左肩の神経を圧迫してしまします。
詳しくは・・・肩こりがひどい原因は、食べ過ぎにあった?をご覧ください。
<対策>
右の肩こり同様に、左の肩こりの原因となるカラダの歪みにも、内臓の疲労からあなたを助ける必要があって起こっているということを忘れてはなりません。
そして、肩の痛みにも、痛みとしてあなたに伝えたいメッセージがあるのです。痛みは痛みの信号としてあなたに伝えることで、心臓の機能を高めて、心臓のポンプの力を助ける役割があります。
心臓の機能を高めるためには?
心臓は血液をカラダ全体に血液を送り届けるという重要な役割があります。
カラダに血液を行き渡らせるために重要な心臓のポンプに負担をかける原因は、カラダの毛細血管(もうさいけっかん)の血液の流れの停滞にあるのです。
心臓のポンプ機能は、カラダ全体にくまなく血液を送るためのもの。カラダから心臓へと吸い上げる力はないのです。そのために、心臓のポンプの代わりに活躍してくれるのが、カラダの筋肉なのです。
特に心臓から遠い足先まで行った血液を上にあげるためには、ふくらはぎを中心とした筋肉が大活躍。
「ふくらはぎは第二の心臓」と呼ばれるほど、ふくらはぎの状態は血流にとって命綱でもあるのです。
心臓の負担を少しでも和らげるためには、肩の調整だけではく、ふくらはぎのお手入れも必須です。
まとめ
いかがでしたか? 最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
カラダ全体の血液の流れや血液の状態が乱れると「右肩がつらい」「左肩がつらい」といった症状が出てくるものです。
- 右は・・・胆のうや肝臓の疲労
- 左は・・・心臓(心膜は、両肩)
血液の流れが悪く、水分やミネラルが上手に運ばれないことが、心臓や肝臓、胆のう、腎臓といった様々な機能が低下しやすくなってしまいます。肩こりからくるカラダのメッセージを聞き逃さないようにしましょう。
もともとは、心臓や肝臓、胆のうの機能を守ろうとした姿勢が、肩こりの原因となるようなカラダの歪みとして症状に表れてくる。
キチンとした姿勢の方が、長い目で見れば結果、カラダが楽なのに、「一時的にだらっとした楽な姿勢をとるとかえってカラダが疲れてしまう」という経験を持っている人も多いでしょう。